特別講演
特別講演 1
第2日 7月25日(木)14:00-14:50
メイン会場(レセプションホール1)
演者:
細井 裕司 先生
(奈良県立医科大学 理事長・学長)
演題名:
軟骨伝導の発見からMBT
(医学を基礎とするまちづくり)へ
座長:
佐藤 嘉伸(奈良先端科学技術大学院大学)
[抄録]
【MBE,MBTとは】対象が医療産業だけではなく,すべての産業に医学の光を当て,医学による産業の創生・再生を図るMBEをまちづくりの中で実現するのがMBT である. 現在,奈良医大を中心に104の企業・団体がコンソーシアムを形成し,この理念の実現を目指している.
【MBE,MBT の発想】MBE は,CTやMRIのように工学が医学を助けるME(医用工学)の逆の発想で,医学的知見を工学や産業の発展に生かすものである. 2004年に私が「軟骨伝導聴覚現象」を発見したことが発想の原点となったので,MBT と合わせて軟骨伝導を紹介する.
[略歴]
一般社団法人MBTコンソーシアム理事長,奈良県立医科大学MBT研究所所長.
昭和50年奈良県立医科大学卒業. 同大学耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座教授,同大学附属病院副院長を経て平成26年より現職. 医学博士.
専門は聴覚医学,住居医学など. 日本耳鼻咽喉科学会代議員,日本聴覚医学会理事,日本耳科学会理事,第55回日本聴覚医学会会長ほか歴任.
特別講演 2
第3日 7月26日(金)13:00-13:50
メイン会場(レセプションホール1)
演者:
福島 邦彦 先生
(ファジィシステム研究所 特別研究員)
演題名:
ネオコグニトロンと畳み込みニューラルネットワーク
座長:
尾川 浩一(法政大学)
[抄録]
高いパターン認識能力を学習によって獲得することができる手法として,深層学習(deep learning)やCNN(convolutional neural network)が最近注目を集めている.福島が1979年に発表したネオコグニトロンもそのような階層型多層神経回路の一種で,文字認識をはじめとする視覚パターン認識に高い能力を発揮する.ネオコグニトロンの歴史は古いが,現在に至るまで種々の改良が加えられ発展を続けている.現在広く用いられているdeep CNNとの相違点に重点を置きながら,最近のネオコグニトロンを紹介する.
ネオコグニトロンの考え方を更に発展させた種々のシステム,例えば,部分的に遮蔽されたパターンを認識する神経回路なども開発されている.top-down型の信号の流れを導入した選択的注意のモデルでは,複数のパターンに順番に注意を向けながら,パターンを切り出し認識することができる.
[略歴]
1958年 京都大学工学部電子工学科卒.同年 NHK入局.NHKの技術研究所,放送科学基礎研究所, 放送技術研究所などを経て, 1989年 大阪大学基礎工学部生物工学科・教授.1999年 電気通信大学・教授.2001年 東京工科大学・教授.2006年~2010年 関西大学・客員教授.現在:ファジィシステム研究所・特別研究員(非常勤),通常は東京都町田市の自宅で研究に従事.工学博士.
科学技術庁長官賞; 電子情報通信学会 業績賞,論文賞,功績賞; IEEE Neural Networks Pioneer Award; APNNA Outstanding Achievement Award; 日本神経回路学会論文賞,学術賞; INNS Helmholtz Award; ELM2017 Pioneer Award; などを受賞.
日本神経回路学会(JNNS)初代会長,名誉会員; INNS(国際神経回路学会)元理事(学会設立時~2005年度); APNNA(Asia-Pacific Neural Network Assembly)元会長; 電子情報通信学会名誉員.